ドライTシャツの発色をよくしよう!
今回はドライTシャツ作りの記事になります。
夏場やスポーツ中など、汗をかくときに助かるのがドライTシャツ。
主にポリエステル製のTシャツのことを指します。
今まで私がTシャツ作りをしていて、綿素材のTシャツよりも発色が劣るイメージが強いです。
今回はそんなドライTシャツの発色をよくするためにできることを考え、挑戦してみました。
ドライTシャツの発色をよりキレイにしたい
こちらが今回発色をよくするために作ったTシャツ。
前回ご依頼のあったFishCrewさんのTシャツです。
結論、今までよりもきれいに発色させることができました。
↓前回の記事はこちら↓
普段のドライTシャツの発色
写真では分かりにくいですが、こちらの白も少しだけ下地の黒が透けています。
濃い色に色を重ねるのは絵具の隠ぺい力が必要です。
今回は緑色の絵具で作ってほしいとのことだったので緑の絵具を作ってテストしました。
この写真だと王冠の部分になりますね。
こちらも少し下地が透けています。
白は隠ぺい力が高いほうなので、他の色だと少し発色が劣ってしまいます。
ドライTシャツにシルクスクリーンでプリントする際の課題
濃色のTシャツには明るめの色をきれいにプリントすることが今回の課題です。
どうして上手く発色できないのか、また、綿と比べてどのタイミングで発色が劣るのかを考察します。
インクの透過量が相対的に少ない
まず、綿と比べてインクの透過量が少ないのではないかと考えました。
ドライTシャツは綿のTシャツに比べて軽く、発汗性も良いです。
つまり、ドライTシャツは密度が低いのだと思います。
そうすると綿に比べて絵具が繊維の隙間に入りこみやすくなるので、同じようにシルクスクリーンでプリントしても表面に見えるインクの量は少なくなる可能背があります。
綿のTシャツに比べて
その点、綿は多くのインクが布の上に乗るので濃色のTシャツでもきれいに見えやすい、ということになるのだと思います。
熱処理をした後に色が暗くなる
ドライTシャツの場合、熱処理をした後に色が暗くなります。
熱処理とは絵具を生地に定着させるために必要な作業です。
よりインクが生地に密着することで、綿のTシャツに対して相対的にインクの密度が下がってしまうのではないかと思いました。
対策:インクを通す量を増やす=二度三度と刷る
今回はシンプルに、インクの透過量を増やします。
単純に二度、三度と繰り返しすることでより多くのインクをTシャツに乗せる作戦です。
メリット1:繰り返すことで生地に絵具が密着しやすくなる
二度、三度と繰り返すことで、生地の隙間に絵具がしみこんでくれる気がします。
空気の隙間が埋まれば、色もきれいに見えそうです。
メリット2:Tシャツにより多くの絵具が乗る
繰り返し刷ることで、一回のときよりも多く絵具を乗せることが出来そうです
デメリット:プリントのズレが起きやすくなる
大きなデメリットがあるとすれば、プリントのズレが起きやすくなってしまうことでしょう。
シルクスクリーンは版を使用しているので、何度もヘラを動かしたらズレてイラストがブレブレになる可能性があります。
こちらは力加減で調整しつつ行うか、シルクスクリーンのフレームを使って版がズレないように気を付けることでクリアします
作業開始
まずは刷ってみる
とりあえず、スクリーンを固定し、その上に絵具を乗せます。
あとはスキージーで刷るのですが、今回は繰り返し行うため二度目三度目にズレないように力加減しました。
刷った後はこんな感じに仕上がりました。この時点ではとてもきれいに仕上がっています。
熱処理後
とはいえ、熱処理をすると下地が透けるようになるのがいつものことなので安堵するには少し早いです。
熱処理後はこうなりました!
若干下地は透けているものの、今までのものに比べたらキレイに発色しています。
まとめ:より多くのインクを透過させることで濃色へもプリント可能になる
普段、濃色のドライTシャツにプリントする際はどうしても下地を隠ぺいできないことが気がかりでしたが、インクを多めに通すことでかなり改善しました。
より多くインクを透過できればさらに発色が良くなるかもしれません。
今回はズレるリスクを承知で複数刷りましたが、もっと粗い目のスクリーンを使うことでより効率良くインクを透過させられそうです。
今回は120メッシュだったので100メッシュや80メッシュに変える余地があり、まだ良くなる可能性がありますね。
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
当ブログではTシャツ作りの作業や作り方を発信しています。
インスタの方では今まで作った作品なども見れるので、よかったら見てみてください!
それではノシ
↓今回の絵具の調色を試した回その他↓
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